自分の考えていることが、うまく人に伝えられない」「人とコミュニケーションをとることに、苦手意識がある」と悩む方は多くいます。しかし、その悩みこそ「相手とよい関係を築き、人を動かす」ための第1歩に変えられるのです。『超完璧な伝え方』の著者、4代目バチェラー・黄皓氏による「誰とでもスマートに人間関係を築く」ための簡単なテクニックを紹介します。

「頭がいいけど、話しやすい人」が言葉を選ぶときに気をつけることPhoto: Adobe Stock

語彙力は知っている言葉の数ではなく、適切な言葉を選ぶ力

語彙力とは、難しい単語をたくさん知っていることではありません。

相手の理解力に合わせて単語を選び、組み合わせて使う力だと私は捉えています。

重要なのは、相手がどうすれば理解できるのかを考えることです。

「この単語なら知っているかな。この言い方のほうが伝わりやすいかな」と言葉を入れ替えながら会話の中で相手の理解度や知識、共通認識を把握していきましょう。

一見、難しそうに思うかもしれません。でも実は、みなさん自然と相手の語彙力に合わせている場面があります。それは、幼い子どもと喋るときです。

「声の幅」でもお伝えした通り、子どもと喋るときに大人相手のように早口で話す人はいませんよね。

自然とゆっくり話すようになりますし、できるだけわかりやすい言葉を使うようになります。

たとえば、「犬」のことを「ワンワン」と言ったり、「車」を「ブーブー」と言ったりするはずです。これが、「相手の語彙力に合わせる」ときの一番わかりやすい例です。

しかし、子ども相手にはできるのに、なぜか相手が大人になると「合わせる」という意識がなくなり、自分の使いたい言葉で話す人が多くなってしまいます。

コミュニケーションが疎かになる理由は、油断と傲慢です。相手に合わせた調整は常に忘れないようにしてください。

(黄皓著『超完璧な伝え方』から一部を抜粋・改変したものです)