写真:3万1086円となった日経平均株価の終値を示すモニターバブル崩壊後の最高値を更新する3万1086円となった日経平均株価の終値を示すモニター(5月22日) Photo:JIJI

5月22日、日経平均株価が終値で3万1000円台を突破した。およそ33年ぶりとなる高値水準だが、今の日本株には短期的に見ても中長期的な視点でも好材料がそろっている。そこで、日経平均3万円超えを特に後押ししている「二つの買い材料」についてお伝えしたい。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

日経平均株価3万1000円を突破
バブル後の戻り高値更新

 先週、日経平均株価が3万円を超えた。2021年に一時的に3万円を超えたことがあったが、先週末はこれを更新してバブル後の戻り高値を付けた。さらに、23日火曜日には反落したものの、週明けには3万1000円台まで買われた。

 4月から続いている日本の株価上昇は、直接的には外国人投資家の買いによるものだ。4月から5月2日の週までにおける外国人投資家の株式現物および先物の買いは約4兆4000億円に及ぶ(東京証券取引所のデータから楽天証券が計算)。外国人投資家の売買は、買う時には上値を追い、売る時には下値をたたくように売るので、短期的には株価の動きを主導しやすい。

 一口に外国人投資家と言っても主体はさまざまだが、大まかにはグルーバルな運用を行う年金基金や大学基金、国家ファンドなどの巨大資金のポートフォリオ調整だと考えていい。

 短期的に見て、日本株には相対的な好材料がそろっている。