『週刊ダイヤモンド』5月20日号の第一特集は「人気株 勝者 敗者 15テーマ330銘柄 メッタ斬り!」です。あの伝説的投資家、ウォーレン・バフェット氏が追加投資を示唆したのを受け、グローバルに日本株への関心が急浮上しています。上放れへの期待も高まる一方、今後は収益力の多寡などによって銘柄ごとの二極化が進むのは必至です。そこでプロの助言も踏まえ、息の長い優良なテーマ株の見極め方を伝授します。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

日本株への注目度が急浮上も
“人気株”の見極め方に要注意

「ジャパンには大いに期待できる」――。JPモルガン証券の西原里江チーフ株式ストラテジストは、最近会ったある海外ヘッジファンドがこのような見方を示し、日本株への関心を高めていたと明かす。

「バフェット効果」で日本株が赤丸上昇中!真の“優良テーマ株”の見極め方とは?伝説的投資家ウォーレン・バフェット氏が追加投資を示唆し、日本株が赤丸上昇中です。息の長い優良テーマ株の見極め方とは Photo:PIXTA

 実際、世界で存在感を失っていた日本の株式市場に、ここにきて再び外国人投資家の目が向きつつある。大きな後押しとなったのが、あの伝説的投資家のウォーレン・バフェット氏が4月に来日し、日本株への追加投資を示唆するとともに、投資先の総合商社や日本市場への期待感を示したことだ。

 さらに、東京証券取引所による「PBR(株価純資産倍率)1倍割れ」国内上場企業への改善要請も、グローバルな投資家の関心を集めている。

 PBR1倍割れは「解散価値割れ」とも呼ばれ、ざっくり言えば、会社が解散した場合にもらえる金額より株価が低く評価されていることに他ならない。日本は欧米よりこうした企業が多く、資本効率改善や企業価値向上に向け、東証がいつになく本気の姿勢で上場企業改革に取り組んでいるのだ。

 一方、世界の株式市場の本丸たる米国では、3月以降に米国内銀行の経営破綻が相次いで明らかとなり、金融不安が台頭。インフレ対策としてFRB(米連邦準備制度理事会)が続々と利上げを敢行してきた中、景気後退を巡る懸念がくすぶり続けている。

 しかも、米国の主要株価指数はコロナ禍の中でも史上最高値を更新しながら上昇基調を続けてきただけに、なお割高感が残るとの声は根強い。日本株は世界の株式市場の中でも割安に放置されてきた存在として、にわかに脚光を浴びているのだ。

 日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)はこの1年ほどもみ合いを続けてきたが、5月初旬には年初来高値を更新。海外マネーの買いが援軍となり、上放れへの芽も生じ始めた。

 そんな期待の日本株には、さまざまな経済界の注目テーマに関連した事業を手掛ける企業が上場し、高い人気を誇る銘柄も数多い。

 だが、安易に飛び付けば痛い目に遭いかねない。息の長い優良な投資テーマと、一時のブームにすぎない“バズワード”が混在しているからだ。