「深く考える」ことをしていた芸人とは

 それは、南海キャンディーズの山里亮太くんです。彼はNSC(お笑い養成所)のときから本当にしつこいくらいに「深く考える」ことを徹底していました。

 授業には何冊もノートを持ってきて、自分のネタの講評、人のネタの講評、ネタの改善案、感じたことなどとにかく書き出し、まずは思考の量を増やしてから、翌日にはそれを磨きまくって思考に落とし込んでくる。そんな生徒でした。

 かつては授業が終わってから山里くんと私だけ教室に最後まで残るというのが日常茶飯事で、磨きがかけられた質問を「もうええやろ」と思うくらいひたすら投げられました。後にも先にも彼ほど考えることに貪欲な生徒を私は知りません。

 もちろん、山里くんのようなやり方だけが正解というわけではありません。考える方法は人それぞれですし、個性があります。ただ、大事なことは「短い言葉にできるところまで考え抜く」ことです。ぜひ意識してみていただけると嬉しいです。