ゴミ拾い写真はイメージです Photo:PIXTA

北関東を中心にリユースショップなどの事業を手がけ、グループ年商47億円を誇る経営者の吉川充秀氏が、経営や自己啓発のセミナーに個人的に投資してきた費用は、なんと累計2億円!そんな彼が最終的に行き着いた究極の習慣は「ゴミ拾い」だった。2015年からスタートした8年間におよぶゴミ拾いライフワークを通して得た気づきを、吉川氏の著書『ゴミ拾いをすると、人生に魔法がかかるかも♪』(あさ出版)より一部抜粋して紹介する。

行動や習慣が変わり
心が変わるゴミ拾い

 人を変えるには、「ものの見方、考え方」を変えること、そして「習慣」を変えることが必要です。ものの見方、考え方を別の言葉で言うと、ズバリ「心」です。つまり心を変えるということです。心というと曖昧模糊としているので、「物事をどう捉えるかという考え方が心」と定義するとわかりやすいでしょう。一方、習慣は行動の連続です。これは「形」です。つまり、心と形を変えることで、人格が変わるのです。

 では、心と形を変えるのはどちらが難しいでしょうか?私も、自分自身の心を変えるために、たくさんの習慣を取り入れてきました。読書も大切です、セミナーを聞くことも大切です、名言を繰り返し毎日のように読むことも大切です。しかし、ものの見方、考え方という心を変えるのは、なかなか難しい。

 もっと簡単に心を変えるにはどうしたらいいでしょうか?

「形から入り心に至る」という言葉があります。私たちは、この言葉を、整理整頓の重要性を伝えるために従業員さんに教えます。「整理整頓という『形』を整えるとね、『心』が荒(すさ)まなくなるでしょ?」と、整理整頓の重要性を形と心で、伝えるわけです。実は、実務教育の場では、心を変えることよりも、形を変えるほうが早いのです。私たち社会人の生活も、まさに実務そのものです。ですから、心を変えようと思えば、形である行動を変えることです。ところが行動だけでは一過性で終わるので、習慣が必要です。その習慣の最たるものが何か、それがゴミ拾いです。

ゴミ拾いを続けると
心が整い上機嫌になる

 毎年、年末に「人生がときめくニコニコワクワク研修」という心の研修を会社で行っています。私は経営者として、働いている従業員さんの年収が上がり続け、やりがいのある職場を創る、これを一番の目的にしています。従業員さんの物と心の両面の幸福を追求するということです。

 ところが、従業員さんの中で「ものの見方、考え方」がいびつな人の場合、「幸せを感じにくい」という現象が起こります。例えば、被害者意識を持ちやすい人がいたとします。心理学上で言うと、最も幸福になりづらい典型的なパターンなのですが、この被害者意識の人たちに、「本当にそれでいいのですか?」と「これでもか、これでもか」と具体例を出して、「ものの見方、考え方」を根本的に変える必要性を伝えていきます。その結果、この研修で「人生が変わった!」と言ってくれる従業員や他社の社長や幹部が、続出しました。「この研修を受けたおかげで、今の自分がある」なんて言ってくれる人もいるくらいです。