信越化学は過去最高決算の一方、旭化成は20年ぶりの最終赤字、化学業界5社の明暗Photo:PIXTA

新型コロナウイルス禍が落ち着き始め、企業業績への影響も緩和されてきた。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった難題がいまだに日本企業を苦しめている。その状況下でも、企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は信越化学工業、旭化成などの「化学」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

化学業界5社で分かれた明暗

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の化学業界5社。対象期間は2022年11月~23年3月期の四半期(5社の対象期間はいずれも23年1~3月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・信越化学工業
 増収率:9.3%(四半期の売上高6456億円)
・日本ペイントホールディングス
 増収率:15.8%(四半期の売上収益3302億円)
・旭化成
 増収率:7.8%(四半期の売上高6861億円)
・三菱ケミカルグループ
 増収率:14.1%(四半期の売上収益1兆2284億円)
・東レ
 増収率:1.0%(四半期の売上収益5875億円)

 化学業界5社は全て前年同期比で増収となった。中でも日本ペイントホールディングスと三菱ケミカルグループは2桁増という好調ぶりだ。一方、東レは前年同期比1.0%増という辛うじての増収となった。

 また信越科学工業は過去類を見ない増収増益を記録していて、絶好調だ。一方、旭化成は20年ぶりの最終赤字となるなど、格差が大きくなっている。

 次ページ以降では、この格差の要因を見るほか、各社の増収率の推移を紹介する。