ドル円は141円に上昇
“円安派”の6つの根拠
ドル円は141円台へ上昇し、昨年11月以来の高水準となった。こうした中、市場参加者の間では昨年11月以降主流派とみられていたドル安円高予想に代わり、150円方向へ再び上昇するとみる向きが増えてきたようだ。
一方で筆者は、ドル安円高を予想している。そこで本稿では、ドル円に強気な”円安派”の主張の根拠を筆者の視点から整理し、妥当性を検証してみたい。
円安派の根拠は、以下6つに整理できる。
(1)米国の経済・労働市場が堅調で、インフレ鈍化の兆しがみられにくい。
(2)米国ではさらなる追加利上げの必要性が高まり、年内の利下げ開始が困難になる。
(3)日本のインフレが2%を持続的に上回る可能性は低いため、日本銀行は当面イールドカーブコントロール(YCC)政策の追加修正を行わない。
(4)日米金利差は当面高水準で維持されるため、円キャリー取引(ドル買い円売り)が活発になる。
(5)日本が貿易赤字体質となった。
(6)日本の株高と円安が連動しており、株高が続くことにより円安も続く。