「○○年も働いているのに、相応の実績を残せていないのですね?」と面接官に聞かれたら?「○○年も働いているのに、相応の実績を残せていないのですね?」と面接官に聞かれたら?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ミドル世代が転職する際に、ネガティブになってしまいがちな要素の一つとして、マネジメント経験がないことや少ないことが挙げられます。上が詰まっていたりして、実力や実績があってもなかなか管理職に就けない中高年がいることは、転職の面接官も承知しているといいます。約20年間、1万人以上の就職・転職活動を支援してきたキャリアカウンセラーの中谷充宏さんの著作『30代後半~40代のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム刊)から、マネジメント経験が不足しているミドル世代のPRポイントを紹介します。

いい年齢なのに
マネジメント経験がないのですね?

○面接官が知りたいのはココ
類似経験でも良いので、聞かせてほしい
何もないなら、将来に向けて前向きな話を

 ミドルの場合、マネジメントスキルを発揮してほしい求人が多くを占めるので、この手の質問は頻出と心得ておいてください。

 この項目では、応募者に公式なマネジメント経験がないことを前提としているので、この事実をさもあるように語るのは、もちろんご法度です。

 しかし、非公式なマネジメント経験、たとえば職位は平社員や主任であっても、少数単位のプロジェクトリーダーとしてプロジェクトをまとめたといった経験があれば、PRするのは非常に有効でしょう。

 また、○○課長、△△マネジャーといった管理的ポジションに就いていても、実際はマネジメントなんて一切やっていないという「名ばかり管理職」というケースが存在しているのも面接官はよく知っています。

 このような事例を引き合いに出して、話を展開する方法もあります。

 こうした類似経験も全くないという場合も当然あります。この場合は、自身の保有する知識・スキルをPRした後に、そうしたチャンスがあればぜひ取り組んでいきたい、私が目指すマネジメントはこうだと、将来への熱い想いを語るようにしてください。

○たとえばこういう人の場合
44歳男性、大卒。現在まで2社に勤務。
今回は3社目の転職で、同業種・同職種(店舗販売職)への応募。

【NG!】「実は昨年、課長職昇格への打診があったのですが、これが流れてしまいまして」

 課長の一歩手前まで進んだエピソードは良いですが、このままではマネジメントスキルの有無を把握できません。

【OK!】「もう44歳になりますが、まだ組織上の管理職経験がありません。そういった意味では、マネジメント経験がないということになります。

 しかし前職では、明確な役職名はありませんでしたが、店長不在時には私が店を切り盛りし、アルバイトや店員のシフト管理から仕入発注、売上管理まで一人でこなしておりました。

 3年前から、店長が他の3店舗も兼任するようになったので不在が多く、私の役割は非常に重くなりました。

 アルバイトや入社したての社員の教育も私が担っておりました。特に若いスタッフには『働くとは』といったことから、店での立ち居ふるまい、ディスプレイのコツまで、細かく指導してきました。マネジメント業務についての素養と意欲はあります。御社でもし管理職への登用のチャンスを頂けるのであれば、積極的にチャレンジしたいと思っています」

「ない」場合は、非公式の類似経験を展開するのが模範回答になります。

○○年も働いているのに、
相応の実績を残せていないのですね?

○面接官が知りたいのはココ
定性的な実績でも良いので、教えてほしい
「これから頑張ります」は聞きたくないよ

「そうですね、残していません」で終わるのはNG。他の圧迫系質問と同じように、一旦指摘を受けてから、反証しなければなりません。

 一番頭を悩ませる反証の材料ですが、たとえば、地味でも継続できていることがあれば、

「ノルマを毎年達成してきたわけではありませんが、全営業社員の中で平均より上の数字を安定継続して残してきました」、「几帳面な性格のため業務遂行上の確実性には定評があり、この5年間で大きなミスは1つも犯していません」といったPRができます。また単発でも、

「会社の重点地域である、○○地区担当を任されたことがあります」、
「今売れている△△製品の××分野のごく一部ですが、開発に関わりました」

 といったPRも効果的です。

 人それぞれに役割があり、全員がエース級でないことは面接官も理解しています。身の丈に合った実績を探して打ち返してください。

 なお、「ネガティブ要素を未来に向けてプラスに改善していく」というのは、面接での受け答えの定石ですが、この質問に対する回答としては、若手と違ってかなり苦しいです。

○たとえばこういう人の場合
40歳女性、大卒。今まで2社に勤務。
今回は3社目の転職で、同業種・同職種への応募。

【NG!】「確かに今はありません。これから御社で頑張って実績を作り上げていきたいと思います」

 ミドルが「これから頑張ります」では、さすがに通用しません。

【OK!】「はい、確かに誇るべき大きな実績は残せておりません。しかし、小さなレベルの実績でしたら複数あります。

 具体的には、前職では私が担当していた事務備品購入について、いわゆる長年の取引先との随意契約ではなく一部入札制度を取り入れて、この分野の支出を年間10万ほど削減しました。

 また、最近では総務部の節電推進担当として、巡回してこまめに節電を促し部内の定着化を図りました。数値化できていませんが、今は部員みんなが節電意識を持って行動できていると感じます。

 私は大きなことを成し遂げるタイプではないかもしれませんが、このように地道に着実に自身の業務に邁進したいと思っています」

 些細な実績でも、ないよりはましです。何かしら実績を残したエピソードで返しておかないと、「わざわざミドルのこの人を採用する意味がない」と見限られてしまうこと必至です。

待遇の良い会社で
実績も上げていたのに、なぜ退職を?

○面接官が知りたいのはココ
何かネガティブ要素を抱えていない?
もう一度、退職について納得のいく説明を聞きたい

「現状にどんな不満があるの?」、「今の会社にいられないトラブルでも起こした?」という疑問を解消するための質問です。

 実績や処遇を振り返り、それらを捨てて退職する理由を説明します。

 一番NGなのは現職に対する不満や誹謗中傷等、ネガティブな退職理由を吐露することです。

「実績を上げても報酬に反映されるのはごく一部で、反映方法も不透明で」、「給与は良いのですが、職場の人間関係が本当に悪くて」等、事実でもそのまま伝えてはいけません。