投資家はここまで米株式下落への賭けを増やしてきた。そして痛手をこうむっている。S3パートナーズのデータによると、米株式市場の6月の空売り残高は1兆ドル(約141兆円)を超え、2022年4月以来の高水準となった。これは年初時点の8630億ドルを上回り、流通株式の約5%に相当する。S&P500種指数が1年2カ月ぶりの高値を付け、上昇率が年初来で14%、6月だけで5%に達する中、足元では空売りが増えていた。株価上昇は痛手だ。S3によると、空売りによる時価評価損の累積額は年初来で約1200億ドル(約17兆円)、6月前半だけで720億ドルに上る。空売りを仕掛けているのは主にヘッジファンドなどの機関投資家で、相場上昇に対する不安を反映している。上昇が幅広い銘柄に行き渡っていないことや、バリュエーションの膨張、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げの可能性などが懸念されている。
米株高が痛手、空売り損失17兆円
空売り残高の上位にはテスラやアップルなどが並ぶ
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