米電気自動車(EV)大手テスラの時価総額はこの1カ月で2500億ドル(約35兆4000億円)ほど上昇した。さまざまな理由が考えられるが、投資家が本来最も注目するはずの利益見通しは、リストのはるか下の方にある。よく挙げられるのは人工知能(AI)だ。テスラ株の13連騰という最長記録が始まったのは、米画像処理半導体(GPU)大手エヌビディアがAI向けの需要急増を背景に力強い売上高見通しを発表した頃だ。投資家の売買動向を分析するバンダ・リサーチのシニアバイスプレジデント、マルコ・イアチーニ氏によると、個人投資家によるテスラ株買いとAI関連の買いはここ1年、大まかに見てほぼ同じタイミングで起きている。モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナス氏は先週、「市場はテスラをまずAI界の大物と考え、それから自動車会社だと思い込みたいようだ」と指摘した。