ビジネスの現場では、人前でハキハキと話せる「社交的な人」が有利だと思われがちです。しかし、台湾出身で、超内向型でありながら超外向型社会アメリカで成功を収めたジル・チャン氏の世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』(神崎朗子訳)によると、「内向的な人」こそ、冷静さ・思慮深さ・協調性といったビジネススキルを兼ね備えているといいます。
内向型の生まれ持った強みを肯定し、勇気づける本書には、「目からウロコの内容に感動した」「自分らしく生きていけばいいと気づけた」と日本中から絶賛の声が集まっています。
今回は、読者から寄せられた仕事や人間関係の質問に対する、チャン氏の回答を公開します。(構成/根本隼)
Q. 人と一緒にいると疲れてしまいます
読者からの質問 周りとのコミュニケーションに疲れたときにジルさんはどうしていますか?
ジル・チャン氏 私は必ず休憩をとるようにしています。リモートワークが主流だったときは、パソコンの電源を切ってしまえば、自分だけの休み時間を確保することができました。1日中会議が続くこともほとんどなく、スケジュールを自分でコントロールできていたんです。
でもいまは、対面でのコミュニケーションが再び増えてきていますよね。
そこで私がおすすめしたいのは、もし周りとのやりとりに疲れてしまったら、会議室を予約して、そこで自分ひとりで過ごすことです。
そうすれば、職場のコミュニケーションや情報量に圧倒されて、疲れ切ってしまうということを避けられると思います。
内向型人間にとっては、誰かに話しかけられたり、電話応対をしたりするだけで精神的に疲れてしまいます。職場の人と同じ空間にずっといるというのはストレスフルで、気が散ってしまいやすいんです。
なので、休憩の時間をしっかりと確保して、気が散る場所から自分を離してあげることで、仕事の質が上がるのではないでしょうか。