BMW・XMリアビューXMはEVとして約90km走るPHEV。足回りは電子制御ダンパーとアクティブロールスタビライザーを備えたアダプティブMサスペンション・プロフェッショナル標準。
BMW・XMインパネBMW・XM/価格:8SAT 2130万円。インパネは12.3インチのメーターパネルと14.9インチのセンターディスプレイを組み合わせたラグジュアリー仕様。ステアリングはM専用デザイン。エンジンスタートボタンはレッドカラー
BMW・XMリアシート後席はゆったりとくつろげるラウンジコンセプトを導入。ルーフライニングもデザイン仕様

M1以来のM専用モデルが
どうしてSUVなのか?

 アメリカ市場と中国市場の嗜好は、実はよく似ている。世界で最も大きなマーケットの好みが“いかつい、ぎらついた顔”なのだ。最近のBMWデザインは、しっかり“売る”ための必然だったと知る。M社の幹部によると、XMの主要マーケットはアメリカと中国で、この2つで目標販売台数の半数を占める。続くのは中東や韓国だ。

 とはいえM1以来のM専用モデルがどうしてSUVなの?と思う。ライバルのように高性能スポーツカーを見たかった。幹部は「SUVがセダンに代わって普通の乗用車になったから」と実にそっけない。皆がセダンに乗る中でクーペやスポーツカーに憧れた1970~80年代とは事情が異なるというのだ。それに限定車ながらM3CSLを出したではないかとも……。

 もっともXMは、最初からM専用モデルだったわけではない。当初はX7ベースのSUVクーペ、要するにX8として企画された。だが大型高級SUV市場におけるクーペニーズを考えたとき、M専用として特別感を出したほうが太く長く売れると判断した。それゆえ、PHEVのみのモノグレード展開で、日本でもワンプライス設定である。