ロシアで起きた一時的な反乱は、ウクライナ侵攻を巡る中国政府の最大の懸念、すなわち米国率いる西側諸国に対抗する上での最も親しいパートナーを不安定化させる恐れがあるという懸念を浮き彫りにした。ロシアの民間軍事会社ワグネルが率いる部隊がロシア南部ロストフの南部軍管区司令部を制圧し、モスクワへの進軍を中止した後もこの懸念は消えていない。ウラジーミル・プーチン大統領はテレビ演説で、ワグネルの反乱を裏切り行為と呼び、鎮圧を誓った。とはいえ、今回の危機は23年間に及ぶプーチン氏の支配にとって最も深刻な試練であり、中国の習近平国家主席にとって不確実な瞬間でもある。習氏は中ロ関係を、世界の中で米国の影響力に対する防波堤と位置づけ、プーチン氏との個人的な関係をその中心に据えてきた。