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中国のメディアやSNSでは、最近、日本の若者の就職率や株価について、また、バブル期や「失われた30年」を振り返るような記事に注目が集まっている。背景にあるのは、経済の低迷と、雇用状況の悪化だ。状況が悪化するあまり、就職や働き方にまつわる新語や珍現象が数々登場しているという。(日中福祉プランニング代表 王 青)

日本の「バブル」「株価」
「就職氷河期」に注目が集まっている

 最近、中国では、日本の若者の就職率や日本のバブル期の状況、そして、最近の株高などの話題が注目を集めている。

「驚異! 日本の若者の就職率はほぼ100%」
「日本の株価が33年ぶりに高値更新。『失われた30年』はついに終わるのか」
「日本のバブルとはどういうものだったのか、その教訓とは」
「日本で就職氷河期を経験したロスジェネ世代はその後どうなった?」

 こういったタイトルの記事が中国国内のさまざまなメディアの記事やSNSに掲載され、たくさんのコメントが付き、活発な議論が行われているのだ。

 こうした記事や投稿は、おおむね、日本の最近の経済状況を次のように紹介している。「日本の文部科学省が発表した2023年の大学新卒者の就職率は、2022年に比べて1.5ポイント上昇し、97.3%だった。さらに驚くべきことに、今年の春卒業した高校生の就職率※も98.0%となっている。つまり、現在、日本の若者のほぼ100%が就職できているということだ」

※編注:高卒者の就職率を示す調査はいくつかあるが、おそらく厚生労働省「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」に掲載されている、「就職内定率」の数字と思われる。

「6月8日、日本の内閣府の発表データによると、2023年第1四半期の日本の国内総生産(GDP)成長率(年率)は前回の1.6%から2.7%に上方修正され、エコノミスト予想の中央値1.9%を大幅に上回った。また、ウォーレン・バフェット氏の日本訪問以降、日本の株式市場は上昇の一途をたどっている。株価は3万3000円まで上昇し、バブル崩壊後の最高値となった。日本の経済の朗報が続く。これが本格的な回復になるのかどうか、決して目を離すことができない」

 このような報道に対して、SNSでたくさんのコメントが出回っている。

「90%台の就職率なんて信じられない。本当にうらやましい!就職率と株価は経済の物差しだから、日本経済が回復した証拠ではないのか」
「メディアはよく『日本の失われた30年』と言うが、本当なのか。実は、日本はその間、産業構造を最適化したり、半導体や医療再生などのイノベーションを起こしたりして、良い成果を上げている」

 このように「日本経済は復活した」と言う人たちがいる一方で、次のような声もある。

「日本は少子高齢化が深刻で、人手が不足している。だから就職率が高いのではないか?」
「日本は約30年間賃金が上がっていない。株価が高くても、一般庶民にとっては無関係で、その恩恵を受けていない。逆に最近はいろいろなモノが値上がりしていて、生活が段々苦しくなっていくだけ」などの冷静的な見方もある。

 なぜ、中国人が日本の若者の就職率や経済状況に興味を持つようになったのだろうか?