韓国の国民は
どうしてデマ政治に弱いのか
韓国国民は政治に関心が高く、若者層の投票率も日本より高い。ただ、韓国国民は物事を感情で判断する傾向にある。
日本では浅間山荘事件で学生運動が過激化してから、左派に対する支持が弱まった。しかし、韓国では70年代から80年代まで軍事政権が国を支配し、学生の政治活動を弾圧してきた。その後、民主勢力、革新系の人々が大統領となり、保守政権を批判して、「民主主義を成し遂げたのは革新系の功績である」との政治教育を行ったため、いまだに現実を見ず、革新系を支持する固定層がある。
革新系は真実がどうであれ、自分たちに都合のいい主張を作り上げて政府攻撃を行っている。その一つが福島第一原発処理水の放出問題であり、もう一つが、韓国で横行している、行き過ぎた課外学習の問題である。
福島第一原発の処理水を
「核廃水」と呼ぶ李在明代表
民主党は李在明民主党代表が主催して「福島原発汚染水放流反対野外集会」を各地で開催している。
5月20日、ソウル市内の国会前で開かれた集会には、「福島汚染水投棄は放射能テロだ」という横断幕や、「福島放射能水産物輸入5000万人が反対する」というプラカードもあった。
6月3日の釜山(プサン)では「汚染水は事実上の核廃棄物だ。核放射性物質が海水に混じっていれば、誰が海雲台(ヘウンデ)を訪れてホヤを食べるだろうか」と主張し、水産業者の反発を招いた。
17日に行われた集会で李在明代表は、「『汚染水』ではなく『核廃水』と呼ぶ」と述べた。
しかし、こうした主張はいずれも実態がなく、IAEAは、処理水は安全であると分析しており、韓国の権威である原子力学会は安全性について公開討論会を要求している。また、与党「国民の力」は常任委員会別に「刺し身店で会食を行う」としており、政府は処理水の「海洋放射能調査地点」を拡大、調査の頻度を高めてデマの鎮静化に努めている。
韓悳洙(ハン・ドクス)首相も、デマに対しては厳正に対処する方針を表明している。
しかし、民主党はこれに懲りず、南太平洋の国々に共に闘おうと書簡を送ったそうである。これに対し、与党は「国の恥を外国に晒すのか」と批判している。
民主党政権下での
教育の崩壊
韓国政府は、大学入試で「キラー問題(超難問)」を廃止する方針を打ち出した。ニューヨークタイムズは21日、「キラー問題」を「公教育の教育課程から逸脱し、科目名とも一致しない極度に難しく、悪名高い問題」と紹介、「韓国の家庭は昨年1年間に26兆ウォン(2兆8700億円)という巨額の塾費用を支出した」と指摘、その妥当性を報じた。
これに対し民主党の朴光温(パク・クァンオン)院内代表は「キラー問題をなくせば塾費用がなくなると考えるのは問題を単純に見過ぎだ」「最悪の教育惨事」と批判した。
しかし、李在明代表は「キラー問題をなくす」と国民に公約していた。
文在寅(ムン・ジェイン)政権となった17年から、「国家水準学業成就度評価」で、基礎学力未達の生徒が増えている。中学3年生の国語では22年度に11.3%となり前年度の2倍、17年度(2.6%)と比べ5倍近い。数学は7.1%から13.2%に増えている。これは文在寅政権による画一的平等教育政策を実施した結果だという指摘である。
文在寅政権と民主党は全教組の意向を呈して教育行政を進めてきており、その弊害が出たものであろう。民主党に教育問題を論じる資格はない。韓国にとって教育改革は急務のようである。