中国の韓国離間工作は
尹錫悦政権では通用せず
中国が日米韓連携の動きに警戒感を強めている。文在寅(ムン・ジェイン)政権時代は日米韓連携の中で最も脆弱(ぜいじゃく)だったのが韓国であった。このため、韓国が日米との関係強化の動きに出そうなときには、中国は韓国に対し強くけん制に出てきた。
朴槿恵(パク・クネ)政権当時、在韓米軍基地にTHAAD(高高度防衛ミサイル)を配備した時には、韓国製品不買運動や中国人の訪韓自粛などの経済報復措置を取った。
その半面、2021年1月のバイデン米国大統領就任後、バイデン・文在寅両首脳の電話会談が行われることになると、習近平中国国家主席が持ちかけて米韓首脳電話会談より先に中韓首脳の電話会談が行われた。これは韓国が米国寄りになるのを防ごうとする中国の懐柔策だったといわれている。
しかし、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権になってから様相が変わってきた。韓国は台湾海峡の問題や南シナ海への中国の拡張政策を公然と批判するようになり、また、日米韓の安保協力体制を強化しようとしている。もはや、韓国への圧力行使も懐柔策も通用しなくなっている。