益永吉朗さん(36)は先日、最終試験のために白い上着と帽子を身につけた。課題の一つは3分間で15個以上のすしを握ることだ。元ホテル従業員の益永さんはすし職人として海外に出て、とどまるところを知らない世界のすし需要を満たしたいと考えている。かつてはすし職人の卵が客の前でマグロを切らせてもらえるまで、10年もの修行や皿洗いを含む下働きに耐えなければならなかった。しかし世界の主要都市にあるレストランで今、訓練を受けたすし職人が求められている。多くの場合、年間10万ドル(約1440万円)以上の報酬を支払うこともいとわない。応募した人材が日本で訓練を受けた証明を持っていればなおさらだ。東京にある養成校はすしのプロを短期間で養成し成功を収めている。益永さんは東京すしアカデミーの2カ月間の集中コースで学んだ。