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「よく見られるのは、成果をあげるには人が多すぎ、したがって、仕事をするよりも、互いに作用し合うことに多くの時間が使われるという状況である」(『経営者の条件』)
人員過剰と組織構造の欠陥から、時間という稀少な資源が浪費されている。
ドラッカーは、組織の上のほうの人たちが、時間のある程度以上、たとえば1割以上を、分担、協力、調整、摩擦、反目にかかわる問題に取られるようになったならば、人が多過ぎることが確実であるという。互いが互いに仕事の邪魔をしているからである。
スマートな組織では、衝突することなく動く余地がある。始終説明しなくとも自分の仕事ができる。
人員過剰に加えて、組織構造の欠陥からくる時間の浪費もある。典型的な兆候が会議の過剰である。
会議は、組織構造の欠陥を補完するためのものである。人は、仕事をしながら会議に出ることはできない。同時に両方はできない。
ゆえに、会議は原則ではなく、例外にしなければならない。年中会議をしている組織は、何事もなしえない組織である。もし時間の4分の1以上を会議に費やしているという会議過多症が判明すれば、組織構造に欠陥があると見てよい。
「理想的に設計された組織とは、会議のない組織である。誰もが、仕事をするために知るべきことを知っている。みなが、仕事をするために必要なものを手にしている」(『経営者の条件』)