商品ではなく
お客様の心理から考える
「高枝切りバサミマーケティング」の特に優れているところは、欲しいターゲットの顧客リストを、ピンポイントで獲得しているところです。
みなさんの会社でも、この高枝切りバサミマーケティングを参考にして、あなたの会社にとっての高枝切りバサミとなる商品を探してみてください。
欲しい顧客を獲得することこそ、ビジネスを安定させる最大の鍵です。
例えばサプリなどの健康食品を扱っている企業だったら、「健康に気を付けている人」というお客様が欲しいわけです。
例えば化粧品を扱っている企業だったら、「美意識の高い人」という顧客が欲しいわけです。
ターゲットの顧客を集めるのに、どんな商品を販売すればいいのか?
こうした「逆算思考」が大切になってきます。
特に商品力に自信のある企業がやりがちなのが、「この商品は、どんなターゲットに売れるだろう?」という考え方です。
先につくりたい商品をつくってから、その商品に合わせた顧客に販売しようとしてしまいます。
そうではなく、自社が欲しいターゲット顧客が、「欲しい」と考える商品は何だろう?と考えてから、それに合わせて商品をつくりましょう。
リスト獲得を先に考えたほうが
売れるし、売りやすい
まだ一度も商品を買っていない人に、いきなり商品を販売しようとすることは、ビジネスではもっとも難易度が高いとされる行為です。
そのため、まずはターゲットが欲しいと思うような商品を無料で配ったり、手軽に買えるような低価格で販売したりして、先にリストを獲得します。
そして後日、そのリストに働きかけて本当に販売したい商品を売れば、買ってくれる確率が上がります。
また、人は初めてのお店を利用したり、初めての商品を買ったりするときは、疑いの気持ちでお店や商品を見定めています。
しかし一度購入して、その商品やお店のサービスが良いものだとわかると、その疑念は晴れているので比較的あっさりと次の提案を受け入れてくれます。
あなたも「利益率の高いこの商品を売るには、どうすればいいだろう?」と考えていませんか?
利益商品の前に、ターゲットが手にとりやすい商品やサービスを置いて、まずはそちらを一度買ってもらいましょう。
結局は、それが本命の商品を買ってもらうための一番の近道なのです。
高枝切りバサミマーケティングを
自社に当てはめてみよう
私のクライアントで、実際にこの高枝切りバサミマーケティングを参考にして、もっとストレートに言えば「パクって」(笑)、リストの獲得に成功した事例をご紹介しましょう。
【事例:ワインの試飲会で新規客リストを獲得 by ワインの卸販売会社】
ワインの卸販売業をしている女性社長の例です。
彼女はこの事業を始めたばかりで、顧客リストがほとんどありませんでした。
そして、この高枝切りバサミマーケティングの話を聞いて、どうすればワイン好きの人たちのリストを獲得できるのかと考えました。
思い付いたのが、「ワインの試飲会」のイベントを開催すること。
いきなりお客様にワインを販売しようとするのではなく、まずはワイン好きの方たちにこのワイン試飲会に来てもらい、楽しんでもらい、その際に連絡先を入手しようと考えたのです。
しかし、自分の既存の知り合いや顧客にこのワイン試飲会の宣伝をしたとしても、リピート客のリストは増えても、新規客のリストは増えません。
新規客のリストを獲得するには、誰か別の人にワイン試飲会の集客を手伝ってもらい、新たな人脈に働きかける必要がありました。
そこで思い付いたのが、保険の営業パーソンです。
彼女は、保険の営業パーソンが契約をとるために、日頃からさまざまなイベントを企画して集客していることを知っていたのです。
数人~十数人でどこかに旅行に行く企画だったり、高級焼肉を食べに行く企画だったりを立てて、常に見込み客を増やす取り組みをしている保険の営業パーソンは、実は結構いるそうです。
そこで彼女は、そうした保険の営業パーソンの1人に、こう声をかけました。
「私がワインの仕入れや会場の設置、片付けも全部やるので、あなたは1人5000円の会費でワイン試飲会に10人以上を集客してもらえませんか?
そうすれば、あなたからは会費をいただきません」
保険の営業パーソンにとっては、ワインの試飲会の主催として10人集客するだけです。日頃からイベントの企画をしているので、これくらいの人数ならば朝飯前で、お金もかからずイベントを実施できる、とすぐに協力してくれることになりました。
結果、1回のイベントで売上5万円と、10人分のワイン好きの新規客リストを手にすることができました。
『うまくいっている会社の非常識な儲け方』(すばる舎) おじま優來 著
彼女はさらに、同じ企画を「コスト0円のワイン試飲会」と題して、保険の営業パーソンに次々に提案していきました。10回開催すれば、それだけで最低100人の新規客リストを獲得できるのですから……。
この企画は大成功。
獲得した新規客のリストに、入荷したワインの案内をDMやメールなどで定期的に送付してリピート客化に努め、リストから安定した売上を立てられるようになったのです。
ぜひみなさんの会社でも、同じアイデアを何か別の形で利用できないか、また新規客のリスト獲得に役立てられそうな商品がないか、考えてみてください。







