おそらく、そんなことはしないでしょう。
もっと利益率の高い商品に切り替えて販売する、という方が多いのではないでしょうか?
それなのに、利益がほとんど出ない高枝切りバサミを、テレビ通販で10年以上も販売し続けたということは、そこに何か「非常識な儲け方」が存在したということです。
ちょっと考えてみてください。儲からない高枝切りバサミを、なぜ売り続けたのか?
少しずつ答えを明かしながら、説明しますね。
まず、高枝切りバサミはどんな人が購入するのでしょうか?
庭にある高い木の手入れをする商品ですから、家の周りにそうした大きな木があるお客様でしょう。
そして、そんな大きな木が庭にある家は、一戸建ての家がほとんどでしょう。
つまり高枝切りバサミを購入するお客様は、一戸建ての家が持てるくらいには「お金を持っている人」というプロファイリングができます。
そして高枝切りバサミを購入したお客様には当然商品を送付しますから、名前や住所、電話番号といった連絡先が手に入ります。つまり、リストです。
ここからがポイントです。
後日、それらのお客様宛てに、例えば宝石などの富裕層向け商品の販売カタログを送るそうです。
すると何軒かに1軒は、その宝石を買ってくれるお客様が現れてくる、ということです。
そこで初めて、利益が出ると。
きっと、宝石の利益率はものすごく高いのでしょうね!
加えて、一戸建てに住んでいる方はあまり引っ越しをしません。あとは定期的にさまざまな商品のカタログを送って、他の高利益の商品も販売していく、という戦略なのだそうです。
それだけではあまり利益が出ない商品である高枝切りバサミは、富裕層の新規客リストを集めるための商品だったのです!
あくまで伝聞情報ですから、絶対にこのとおりだと断言することはできません。
ただ、マーケターの間ではそれなりに知られた話でもあるので、少なくとも一部は真実を含んだ話だと思います。
実によく考えられたビジネスモデルだと感じます。