ゼルダ、マリオ絶好調の任天堂に3つの死角「ゲーム儲かりすぎ」が招く落とし穴写真:任天堂公式サイトより

任天堂のビジネスが、絶好調です。Nintendo Switchが過去最高の爆売れ中、ゲーム「ゼルダの伝説」の新作が大ブーム、映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の世界的な大ヒットと三拍子そろっています。しかし、任天堂の未来を考えると現在は正念場かもしれません。ゲームがもうかりすぎることで生じる「落とし穴」があるからです。三つの数字と共に解説しましょう。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

任天堂のビジネスが
世界規模で絶好調

 任天堂の主力ゲーム機Nintendo Switchの国内販売台数が、今年6月に過去最高を記録しました。7年前に発売したゲーム機なのに売れ続けているのです。

 その背景には、5月に発売された人気ゲームシリーズ「ゼルダの伝説」の新作効果や、インバウンド需要の後押しもあるようです。円安で増加したインバウンド(訪日外国人)観光客が、Switchを割安な日本で購入し、おみやげとして持ち帰る現象が起きているわけです。

 さらに、映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』も絶好調で、世界興行収入が13億ドルを超えました。アニメ映画としては歴代世界1位の『アナと雪の女王2』(14億5000万ドル)の記録を塗り替える可能性も出てきました。

 ビジネスが好調なことを受けて、今年3月には5000円前後だった任天堂の株価は直近で6500円近辺と、過去10年の高値圏に到達しました。11月にスーパーマリオブラザーズシリーズの完全新作の発売が予定されていることもあり、2007年に記録した株価7320円の過去最高値を抜き去る展開もありそうです。

 このように絶好調に見える任天堂ですが、要注意の局面を迎えているともいえます。実は、ゲームが儲かりすぎていることが招く「落とし穴」があるのです。