楳図かずおや伊藤潤二、
デビルマン、クレヨンしんちゃんが好き

「ヨーロッパはほとんど行きました。イギリス、フランス、イタリア、スイス、北欧の国々など。歴史を感じさせる古い街並みや建物が大好きです。中東やアジア各国も行きましたが、中でもいちばん好きなのが日本です。日本には10歳くらいの頃からたびたび行くようになり、アートのインスピレーションを強く受けるようになりました。日本で大好きな街は東京の中野。中野ブロードウェイ(サブカルチャーの聖地といわれるJR中野駅前の複合ビル)が好きで、小さな雑貨店、専門店、商店などを見て歩くことが好き。東京は大都会ですが、少し散歩したら、きれいな川があったり、自然環境がとてもいい。文化レベルも非常に高いと感じます。世界でいちばん住みたいのは日本です」(チェン氏)

 そうした理由で、初めての個展は東京で行いたいと考えたそうだが、創作の影響を受けたのも、主に日本のアーティスト、漫画家、作家だという。

「日本では、楳図かずお氏、湯浅政明氏、田中達之氏、駕籠(かご)真太郎氏、丸尾末広氏、伊藤潤二氏、村上春樹氏、森本晃司氏などが好きです。とくに日本の80年代~90年代のホラー漫画やアニメに興味があり、私の作品にも投影されていると思います。中でも好きな作品は『デビルマン 誕生編』(1987年)、『地下幻燈劇画 少女椿』(1992年)、『ペットショップ・オブ・ホラーズ』(1999年)、90年代の劇場版『クレヨンしんちゃん』など。これらは繰り返し見てきました」(チェン氏)

「nightmare(悪夢)」Chloe Chen「nightmare(悪夢)」Chloe Chen
「Vertigo(めまい)」Chloe Chen「Vertigo(めまい)」Chloe Chen