米連邦準備制度理事会(FRB)は1980年代以降では最も速いペースで政策金利を引き上げてきた。ウォール街には、まだ追加利上げの余地があるとみる投資家もいる。ウォール街でよく知られるある指標は、金融引き締めが景気を冷ます効果は今年これまでの時期と比べて小さくなっていることを示唆している。この指標を発表しているゴールドマン・サックスのエコノミストたちによれば、FRBが新たに公表した指数は、これまでの利上げが数カ月先に経済成長をどの程度押し下げ始めるかについて過大評価しているという。そうした懐疑派の見方は、市場が今後迎えるさらに困難な時期を予告するものかもしれない。2022年の大半の時期に、金利の上昇は株価と債券価格を同時に下落させた。その後、金融環境が引き締まり成長を減速させるとの見方が、米国債の売りを鈍らせ、株価の反発に拍車をかけるのに一役買った。