ペットと一緒に入れる墓地や海洋散骨など
多様化する供養の形
時代の変化とともに、多様化するお墓。樹木葬以外にも、需要が増えているのが、“愛するペットとともに眠れる墓”だという。
「以前からペットの遺骨のみ納められる霊園はありました。一方で、一般的な墓地では動物の遺骨と人間の遺骨を一緒のお墓に入れるのは、宗教上の理由や、霊園の方針でNGになっているケースも、全国ではまだ多く見られます。そんななか、数年前から霊園の一部、もしくは全区画をペット可墓地として提供する霊園が登場し、少しずつ数を増やしています。なかには、樹木葬とペット可墓地を展開して、購入者が増えたという霊園もありますね」
「ペットと一緒に眠れて、継承者不要のお墓なら入りたい」という理由で、他県の墓地を購入する人もいるという。ペットを大切な家族だと感じている人にとっては、墓地へのアクセスよりも、一緒に眠れることが重要な要素になるようだ。
そして、今後も墓の多様化は進むだろう、と太島氏は話す。
「樹木葬が定着する一方で、遺骨を海にまく『海洋散骨』の利用者も年々増えていたり、石材の代わりに耐久性の高いガラスを使った『ガラス墓』も登場したりと、お墓の種類はさらに増えています。従来のお墓の形にとらわれず、ご本人の希望を細部までかなえられる時代が来るかもしれません」
人の数だけ人生が存在するように、供養の形も人それぞれ。樹木葬の浸透をきっかけに、墓の可能性が広がっているようだ。