中国の住宅販売は再び鈍化している。これは中国の経済成長にとって懸念すべき事態だが、同時にもっと大きく深刻な問題の症状かもしれない。  新型コロナ禍後の中国経済の再開をきっかけに年初に反発した同国の不動産市場は、再び下落傾向となっている。販売額も価格も下落に転じた。  6月の購買担当者指数(PMI)にみられる労働市場の弱さ、弱いインフレ率、依然として緩やかな消費など、経済の他の不確実性と相まって、不動産の低迷は、中国がいわゆる「バランスシート不況」に入りつつあるとの懸念を呼び起こしている。