米国のインフレは鈍化しつつあり、今後も鈍化し続ける様相だ。連邦準備制度理事会(FRB)がさらに努力を重ねなくてもそうなることを期待しよう。労働省が12日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇、前年同月比3%上昇となった。前年比の上昇率は2021年3月以来の低水準だった。鈍化はガソリン価格の急落でほぼ説明がつく。一方、基調的なインフレの動向を見極めるためエコノミストが注目するコアCPI(食品・エネルギーを除くCPI)上昇率は、前年同月比で4.8%と、CPIほどバラ色ではないものの、21年10月以来の低さだった。このことは、商務省が今月末に発表する個人消費支出(PCE)価格指数も鈍化することを示唆している。FRBが重視するPCE価格指数は、これまで労働省のCPIよりやや低くなっている。ただ、6月もFRBの目標である2%にはまだ届かないだろう。それもあってFRBは2週間後の連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標をさらに0.25ポイント引き上げるとみられる。だが今後数カ月の間にインフレが十分落ち着けば、利上げは今回が最後になるかもしれない。
米インフレ率、7月利上げ阻止には不十分
CPIは6月も鈍化したが、FRBにとっては依然高すぎる
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