ウクライナのロシア占領地域では、企業の合併・買収(M&A)は覆面をした武装集団の来訪から始まる。ロシア軍がウクライナ南岸の都市メリトポリを掌握してから間もなく、目出し帽をかぶった男たちが市内最大級の企業の本社に到着し、警備員を殴り、この会社は新しいオーナーの手に渡ったと通告した。メリトポリでは、今後数カ月間にさらに他の多くの企業が果物販売大手メリトポリスカヤ・チェレシュニヤ(メリトポリ・チェリー)と同じ運命をたどるだろう。こうした企業乗っ取りが始まってから1年余りたった現在、標的となった企業は新たなロシア人所有者の下で再び法人登記をしている。各社は生産を再開しており、その生産物にはロシアに送られる弾薬も含まれている。
ロシア占領地のウクライナ企業接収、その実態は
覆面姿の武装集団の来訪で始まる乗っ取り
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