ネットやマスコミからもたらされる多くの情報に何が正しいのか、間違いなのか翻弄されてしまいます。そこで1000以上の医学的エビデンス・学説から「食事」「ダイエット」「肌ケア」「運動・睡眠」の4領域の関係性を明らかにし、納得感のあるシンプルな取り組みをまとめたのが、『無理なく続ける! 太らない 老けない 病気にならない 最高のルーティン』です。著者はAI×健康アプリ「SOULA pie」の開発に長年携わってきた著者と、AGE研究の世界的権威である昭和大学医学部の山岸昌一教授(糖尿病・代謝・内分泌内科学部門)が監修という信頼の一冊。本書で紹介している毎日をベストコンディションで過ごすための源泉ポイントを、いくつか紹介します。

シワ、シミ、くすみは、コラーゲンのAGE化が原因

コラーゲンと糖の結合で老化物質AGEが生成

 加齢とともに肌のシワやシミ、くすみが気になってきます。顔や手は日常生活の中で隠すことが難しい部位ですから、余計に気になるものです。

 こうした肌トラブルの原因となっているのが、AGE(終末糖化産物)です。AGEとは、体内でたんぱく質と糖が結合し、体温で温められて生成される老化物質です。AGEは食品やタバコなど体外からも直接取り入れられます。

 肌は外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造になっています。表皮は、厚さが平均0.2mmの薄い膜。表皮の下の真皮は平均2mmの厚さがある肌の中心ともいえる部分で、血管やリンパ管、汗腺などが存在します。3層目となる皮下組織は大部分が皮下脂肪で、真皮・表皮を支えています。

 このうち、みずみずしい肌を保つのに欠かせないコラーゲンは真皮にあり、真皮の重さの約70%を占めます。コラーゲン繊維はたんぱく質で、コラーゲンが真皮と表皮を支えることで肌の形やハリ、弾力性を維持しています。

 肌トラブルの主因は、このコラーゲンのAGE化です。コラーゲンはたんぱく質であり、食事でしっかりとたんぱく質を摂取できていれば、通常不足することはありません。しかし、糖が血液中に多く含まれていると、コラーゲンと糖が結びついて劣化します。

 コラーゲン繊維が糖化してできたAGEが溜まってくると、弾力性がなくなり、シミを作りやすくなり、くすみの原因となります。また、コラーゲン繊維がAGE化すると組織が変形し、細胞間の連絡が悪くなります。