コメダ珈琲Photo:Diamond

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、コロナ禍によって大打撃を受けた業界・企業の業績の完全復活に対する期待が高まってきた。上場49社、15業界における月次の業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「【月次版】業界天気図」。今回は、2023年6月度のカフェ・レストラン編だ。

コメダ珈琲が1000店を突破!

 カフェ・レストランの主要3社が発表した2023年6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯ドトール(ドトール・日レスホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 6月度:前年同月比113.8%(13.8%増)

◯サンマルク(サンマルクホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 6月度:同113.8%(13.8%増)

◯コメダ珈琲(コメダホールディングス〈HD〉)のFC向け卸売売上(既存店)
 6月度:同112.1%(12.1%増)

 3社とも前年実績を10%以上も上回った。連日の猛暑で、涼を求めてカフェに駆け込む人も多いだろう。そんな中、7月19日にコメダ珈琲がグループ1000店目を東京・新橋に開業した。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが「5類」に移行したことで街に活気が戻り、カフェ業態はにぎわっているように見える。

 ただし、現在は増収していて好調な印象でも、コロナ前の業績と比較した「実態値ベース」では、どうだろうか? コメダを含め、3社とも本当に好調なのか?

 それを確かめるために、過去3年超の月次動向を分析してみよう。すると、意外な事実が判明した。コロナ禍の落ち込みから回復しきっていない2社と、完全回復して増収を重ねる絶好調といえる1社との、格差が浮き彫りになったのだ。

 加えて、3社とも原材料価格の高騰や円安で輸入コストが膨らんでいるなどの理由から、「値上げ」に踏み切っている。が、値上げの詳細も三者三様であることが分かった。