西側諸国の当局者によると、ウクライナに侵攻したロシア軍に対するウクライナの反転攻勢のペースが遅いことで、戦闘終結に向けた交渉が年内に行われるとの期待が薄れ、戦争の終わりが見えなくなるという不安が生じている。反転攻勢が行き詰まれば、ウクライナ向け軍事支援に数十億ドルを注ぎ込むというジョー・バイデン米大統領が表明した戦略が試されることになる。この戦略は、ウクライナ政府が強い立場からロシアと交渉できるようにすることを目的としている。反転攻勢の行き詰まりは、西側諸国が既に不足状態にある武器の供与を続けられるかに疑問を投げ掛け、米国による戦争支援に異議を唱える人々に政治的な批判の材料を与える可能性もある。