韓国で長く読まれている勉強の本がある。1冊は、日雇い労働をしながら4浪の末、ソウル大学に首席で合格した『勉強が一番、簡単でした』(70万部)。もう1冊は、中高生の98.4%が「勉強をしたくなった」と回答した『勉強が面白くなる瞬間』(50万部)。計120万部を超える大ベストセラーがついに日本で出版される。なぜ、受験大国・韓国で読まれたのか? そして、私たち日本人は何を学ぶべきか? 2冊の共通点を探ると共に、勉強の本質に迫る。

【韓国で120万部のベストセラー!】国語を学ぶ王道勉強法Photo: Adobe Stock

人生を豊かにする国語の学び方

 日本では「語彙力」ブームがたびたび起こる。本来、ブームであってはいけないのだが、表現力の乏しさを憂いたか、もしくは、表現力を豊かにしたかったからか、語彙力関連本が売れるのだ。

 人は知っている単語の中で思考するのであって、見たことも聞いたこともない単語で考える人はいない。語彙力があれば、思考を具体的で明確に整理することができる。『勉強が面白くなる瞬間』はそう教えてくれるが、国語の勉強をしっかりしているからこそ、それはかなうことだ。

 国語とは国語の先生になろうとしている人だけが学ぶものではない。どの職業についても、国語の能力は必要だ。

 では、どう勉強するのか? 読書力を向上させること。そして、読むときに必ず国語辞典を引くこと。国語辞典を引くことが実際に読解力向上につながると、『勉強が一番、簡単でした』にある。

 国語辞典を引く機会はあまりないかもしれない。ただし、国語の語彙をもっと正確に理解するだけでなく、ずっと豊かな語彙力を身につけるには、辞書が効果的だ。

 試験においても、人生においても、語彙力は必須。韓国では『国語の実力があれば食べていける』がベストセラーに。日本でも、最近では、『「言葉にできる」は武器になる。』がベストセラーになった。それも、大人になってから国語の勉強が必要だと気付いた人が多いからでしょう。

 英語の辞書を引くように、国語の辞書も引くようになれば、人生は豊かになる。国語の能力を上げるには、辞書を引く習慣を身につけることだ。あまりにもあっさりしている答えで拍子抜けするかもしれないが、これこそが国語を学び、人生を豊かにする王道の勉強法なのだ。

(書き手=編集部・武井康一郎)