ウォール街とワシントンは不満の声を上げている。だが連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長と同僚たちが26日、インフレ退治の路線を変えなかったことは称賛に値する。中央銀行関係者にとって最も難しい決断は、政治的混乱が拡大する中で毅然(きぜん)として政策を貫くことだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)は、6月の会合では一時据え置いたフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25ポイント引き上げ、5.25~5.5%とすることを決めた。パウエル議長はFOMC後の記者会見で、インフレのデータが裏づけるならば、年内に追加利上げする可能性もあるとした。FOMCの次回会合まで約8週間あり、その間に雇用統計と消費者物価指数(CPI)の月次報告が2回予定されている。