偽ブランドバッグに160万円…詐欺サイトでダマされた20代女性の執念

「手に入らないと思っていたブランドのバッグを、とあるサイトで見つけたので、すぐに注文して、代金を指定の口座に振り込んだんです。姉と友達も欲しがっていて、ちょうど残りが3個だったのでまとめて私が買って160万円ほど支払ったんです。それでもデパートで買うより4割くらい安かったんです。すぐにメールが来て、海外から送るので1～2カ月はかかるとのことだったので、心待ちにしていたら、やっと届いたバッグは私でもわかるほどの偽物でした。販売業者へ何度メールやチャットで問い合わせても全く返信がありません。電話番号は記載されていないのでどうすることもできず困っていると、知人から片岡さんを紹介していただいたんです」

　私は仲間の探偵から同様の事件が頻発していることを聞いていたので、すぐにネット販売の詐欺サイトでだまされてしまったんだなと思いました。販売者の多くは海外の事業者で、連絡の手段がなく被害者は泣き寝入りすることがほとんどだそうです。スニーカーやブランド品、スマホやパソコンなど、世界的メーカーのWebサイトとそっくりで、だまされるのも無理はありません。

　さらに、さつきさんがだまされてしまったポイントは、とある有名ショッピングサイト経由だったことと、世界的に安売りが展開されるブラックフライデーというタイミングだったので、安すぎる点でも疑わなかったようです。

　念のため、デパートの正規品店にて確認してもらったところ、さつきさんたちがにらんだ通り偽物だったそうです。

　本物のバッグへの交換か返金対応を目的とするさつきさんの話を聞き終えて、私は率直に販売業者を見つけることすら難しいのではないかと思いました。

販売業者の元へ
自動車整備工場がネット販売事業も？

　販売業者である「A社」の住所が分かるとのことで、千葉市の所在地に行ってみました。そこには自動車整備工場がありました。掲げている看板にも「A社」の記載がありました。

　自動車整備工場のほか、ネット販売業もやっている可能性がゼロではないと推量しながら事務所に入ってみると、営業はしているようでしたが誰もいませんでした。声をかけてみても誰も出て来ず、どこかへ出かけているようでした。20分ほど待っていると作業着を着た30代の男性が入ってきて、「いらっしゃいませ」と声をかけてきました。