私はその場でスマホの画面を女性に見せながら、B社へ電話しました。すると、女性のポケットの中で着信音が鳴りました。

片岡:「電話出てください」
女性:「これ間違い電話ね」
片岡:「日本語分かってるじゃないですか」
女性:「(ドアを閉める)」

 私が再度B社へ電話すると、ドアの向こうで着信音が鳴りました。

片岡:「A社もここですよね?」
女性:「(ドアの向こうから)あなた帰れ!」
片岡:「あなたがやっていることは犯罪ですよ!」
女性:「うるさい!」(外国語で誰かと電話で話している様子)
片岡:「偽物を売ってますよね?」

5日間通うと
女性にある変化が…

 その後も、女性は全く応じようとはしませんでした。私はそれからさつきさんに付き添い、毎日B社に通いました。5日目に女性が偽物を販売した事実を認め、さつきさんは返金処理に応じてもらいました。

 毎日通う私たちの行動に根負けしたのか、他に探られたくないことがあったため応じることにしたのかは不明ですが、とにかくさつきさんの目的を達成することができたため、今回の調査は終了しました。

 対象者と対面することは探偵本来の仕事ではありませんが、今回は特例の対面調査ということで行ったものでした。

 さつきさんのケースは、さつきさんの執念と、私の急ピッチの行動が実を結んだことにより、最善の結果が得られましたが、世の中にはびこるネット販売詐欺や振り込め詐欺は、被害者が泣き寝入りすることがほとんどだそうです。

 ご自分や身の回りの方が被害に遭わないよう、以下に予防策と、対応策を挙げますので、心にお留め置きください。