金融機関や自治体からの書類、郵便物、クーポン、子どもが持ち帰るプリント類……。忙しく暮らしていると、気が付けば「紙」が、たまっていませんか?「紙」はとりあえず取っておくと、「肝心な時に出てこない」「いつの間にか期限が切れていた」「大事な書類を失くして、お金や信頼を失くす」などの悲劇が起こります。実は、人生により大きな影響を与えるのは「モノ」よりも「紙」の片づけなのです。「紙」に特化した片づけ方法を書き、話題を呼んでいる片づけアドバイザー・石阪京子先生の最新刊「人生が変わる 紙片づけ!」から、「紙片づけ」の極意を抜粋して、ご紹介します。

【夏休みにスッキリ! 紙片づけ!】いつも「未処理」の紙があふれている人がまずやるべきこと写真:著者提供

ファイリングすると決めた紙のみを6つのボックスに分ける

 私の「紙片づけ」のメソッドでは、入ってきた紙は即座に、

①すぐに捨てる
②確認して捨てる
③データ化して捨てる
④ファイリングする

 に分けて、④のファイリングすると決めた紙は、6つのカテゴリーのファイルボックスに分けていきます(6つのカテゴリーの分け方などは、本書を参照してください)。

「未処理ボックス」でちょい置きを防ぐ

 ジャンル分けした6つの中には「未処理ボックス」(未処理のファイルボックス)があります。これは、ポストのような役割と思ってください。その後、行き先が決まる紙たちの一次受けです。

 例えば、金融機関から重要そうな紙が届きましたが、これから外出しないといけないので、今は中身を読んでいる時間がない。こんな時、今までだったらダイニングテーブルや戸棚の上に置いていたけれど、それをやめて、「未処理ボックス」に入れるのです。そして、後で読んで、「確認して捨てる」や「データ化して捨てる」になるのか、「ファイリングする」になるのかを判断します。

 忘れてはいけないのは、「未処理ボックス」は、あくまでもポストだということです。外から帰ってきたら必ずポストを見るように、ちゃんと「未処理ボックス」に入れた紙を確認してください。そうしないと、とりあえずの置き場が、ダイニングテーブルから「未処理ボックス」に移動しただけで、本質的な部分がまったく変わりません。本質的な部分というのは、「判断保留で紙を溜め込んでしまう」ということです。

一ヵ所に集約するのが片づけの基本

 つまり、「未処理ボックス」にある紙は、その日のうちに正しい場所へ移動していきます。これを踏まえると、「未処理ボックス」は基本的には空の時間が長くなります。ほとんど使わないのに、わざわざボックスを購入したり、その分のスペースを空けたりするのは、なんだか損しているような気持ちになる人もいるでしょう。
 でも、「未処理ボックス」があるおかげで、あっちこっちに置いて、なくすことがなくなるのです。

「大事そうだけど、よくわからないから、目立つところに置いておこう」と思って、ひとまずそこらへんに置く。でも、その「そこらへん」がどこだったか、後からわからなくなってしまうのです。
 一ヵ所に集約するというのは、片づけの基本です。紙はなくすと一大事になることがあります。なので、「今すぐ判断できない紙はここ」と、「未処理ボックス」に集約することが大切なのです。

締切がある提出物や振込用紙は「スマホカレンダー」とともに管理

「未処理ボックス」の中には「締切がある紙」も、いったん入ることがあります。
 例えば、振込用紙、学校への提出物など。こういった紙は、置き場所に悩んでいる方が多いです。

 以前、書類講座を開いた時は、次のような質問をされました。
「提出する紙の中には、締切が1ヵ月後のものや、次に会った時に渡すものや、できるだけ早く片づけるものなど何種類もあるのですが、忘れたらこわいので、私は全部手帳にはさんで持ち歩いています。でも、量が多くて困っています。どうすればいいでしょうか」

「忘れてはいけない」と思って、とても頑張っておられますが、持ち歩いていると落とす恐れもあります。そのほうがこわくないですか?
 だから、その方には次のようにアドバイスをしました。

「まず、提出物の期限をスマホカレンダーにれてください。そして、いったん未処理ボックスに入れた紙たちを、手帳にはさむ代わりに、5つのファイルのうちの適切な場所に振り分けてください。振込用紙なら『マネーボックス』あるいはお財布へ、学校の提出物なら『教育ボックス』へ。そして、必要なタイミングで取り出して処理してください」

 提出物の期限をスマホカレンダーに入れておけば、締切を忘れる心配はありません。
 また、未処理ボックスには、適切な行き場所がよくわからない、作業中の紙が入ることもあります。友人に送ろうと思っている書きかけの手紙や、記入途中のアンケート、企業に問い合わせる必要がある紙など。ありがちなのは、いつの間にか未処理ボックスの中が、作業中の紙でいっぱいになっているということ。
 これを防ぐためにも、スマホカレンダーが便利。「いつかやろう」と思っているだけでは、なかなか人は行動できません。自主締切をスマホカレンダーに設けて作業をやり遂げ、ボックスがパンパンになるのを防ぎましょう。

*本記事は、石阪京子著「人生が変わる 紙片づけ!」の中から、抜粋・編集したものです。