FacebookやInstagramなど、今や大半の人が利用しているSNS。そこには嫉妬やプライドが見え隠れしています。キャリアづくりに必要なのは市場価値ではなく「自分が自分をどう見ているか」です。本稿では、理想のキャリアづくりのための「自身の言語化」に必要な3STEPの一部を紹介します。
「自身の言語化」に必要な3STEP
自分自身のことを言語化するのは、思っている以上に難しい。主観が強すぎて、逆にできない。キャリア論は多くの場合「市場価値」、つまりあなたという存在が「外側からどう見られているか」の話が中心となる。そこももちろん重要なのだが、あえてその前に、「あなたが何を目指したいのか」をともに言語化することから始めたい。
市場価値の上げ方には、正攻法が存在するともいえる。しかし、「何を望み、何を目指してジャーニーに出るのか?」という問いへの答えは、あなたの内側にしか存在しない。
転職、異動、独立、副業……数々の「道」が広がるなかで、自分にとっての幸せをきちんと理解しないままに市場価値の向上に勤(いそ)しんでも、迷子になってしまうだけだ。
2万人のキャリアと向き合ってきた経験から、私は、まず自分と向き合い、自分自身を言語化するプロセスから始めることが何より大切だと感じている。
さて、これまで数多くの経営者と接してきたが、どれほど著名な方でも、巷(ちまた)で成功者と言われているような方でも、最初から自分自身のすべてを言語化し整理できている人はほぼいない。
では、どうするか。よくキャリアカウンセリングで実施される「キャリアの棚卸し」では、過去の事象を洗い出して整理するパターンが多い。もちろん、それも重要だが、人は過去の事実を表面的に見るだけですべて整理できるほど単純ではない、と私は思う。
図2‐1の3ステップは、社会心理学者であり産業・組織心理学を専門とするクルト・レヴィンが、企業・組織変革を実行する際に用いる変革モデルを、個人のキャリアモデルに応用して、エッグフォワードが開発したものである。
STEP1 解凍:本来の自分を紐解く
まずは、自分が「今のキャリアをどう捉えているか?」から始めよう。何事も現在地がわからなければ、進むべき道も見えてこない。「解凍」とは、凝り固まった自分自身を紐解くことだ。