インフレに関する最近の朗報を受けて、中央銀行による利上げがどの程度貢献しているのかをめぐる議論が活発化している。その答えは、インフレと金利の先行きを左右する。米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)は先週、それぞれの主要政策金利を22年ぶりの高水準に引き上げ、追加利上げの可能性を残した。金利の上昇がこれまでのインフレ率低下の原因でなかったのなら、それは痛みを伴うリセッション(景気後退)が始まる前に中銀が利下げできるかもしれないことを示唆している。中銀は一般的に、金利の上昇がモノやサービス、労働力への需要を鈍らせ、さらに失業率の上昇につながることで、金融政策がインフレに影響を及ぼすと考えている。こうした動きが物価や賃金の下押し圧力となる。