いよいよ夏の高校野球が始まる。今年は第105回の大会だ。そこで、第1回大会から前回104回大会までの高校別通算勝利数ランキングベスト102を作成した。どんな学校がランクインしたのか見ていくことにしよう。(野球史研究家 森岡 浩)

夏の甲子園、開幕!
一番「勝ってる」高校はどこ?

 今年も8月6日から夏の全国高校野球選手権大会、いわゆる夏の甲子園が始まる。声出し応援も含め、地方大会でもかつての大会風景が戻ってきた。

 戦後の学制改革によって、それまでの中等学校が現在の高等学校に変わったが、この前後において全国各地で学校の離合集散があり、どの学校をもって今の学校の前身とするかに異説がある場合もあるが、その変遷も含めて紹介したい。

 それではベスト8にはどの学校が入ったのか、ランキングを下から順に見ていこう。

 第6位には3校が43勝で並んでいる。1校目が智弁和歌山高(43勝22敗)。一昨年夏には優勝して5勝を積み上げ、6位まで上がってきた。1990年代には圧倒的な成績を残していたが、昨年夏は甲子園には出場したものの初戦敗退、今年は県大会初戦で敗退と監督の交代もあって苦しんでいる。

 2校目は早稲田実(43勝28敗1分け)。1915年の第1回大会に出場した名門で、昭和末から平成初めにかけては低迷したものの、戦前・戦後を通じて強豪の地位を保ち続けている。「1分け」とあるのは、2006年の決勝戦での駒大苫小牧高との延長15回1-1の試合。

 そしてもう1校が、広島商(43勝16敗)。こちらも1916年の第2回大会に出場した名門校で、戦前だけで優勝5回(春2回、夏3回)を数え、戦後もしばらくは全国屈指の強豪として活躍していた。同校はバントを多用して確実に1点を取り、投手を中心として守り抜く野球を身上としていた。そのため、池田高やPL学園高に代表されるパワー野球が広がるにつれて出場回数が減少。平成以降夏の出場は2004年、2019年の2回しかなく、いずれも初戦で敗退している。