「令和スタイル」の
公務のあり方を考えるべき

 昭和天皇は帝王らしい威厳と温かさで敬愛された。また、上皇陛下は、国民のところに下りてきて対等に近い目線で接することや、公務に対するストイックさで尊敬された。令和の両陛下のスタイルもまた、これまでとは違うものでよいのである。

 皇后雅子さまのご体調は相変わらず芳しくなく、公務の量は平成の時よりだいぶ少ないし、先般のインドネシアご訪問も陛下お一人で行動される部分が多かった。

 平成流のストイックなスタイルを維持するために、雅子さまにその日の体力の限界まで頑張ることを期待するのでなく、陛下単独での公務を増やしたり、リモートを活用されるなど、令和スタイルを早く確立し、国民の理解を積極的に求めることが、雅子さまに無理を強いないためにも急務だ。

 愛子さまは慎重なご性格なので、新型コロナ期間中は3年間登校をされなかったし、眞子さんや佳子さまに比べて年齢的にも公務開始が遅れているが、少しでも多くお姿を拝見できる機会が増えることを国民も期待している。

 秋篠宮殿下の皇嗣殿下という肩書について誤解があるが、皇太子と全く同格の称号である。ただ、皇位継承順位1位ではあるものの、陛下より御誕生が5年遅いだけなので、陛下から悠仁さまに直接に継承する可能性もないわけでない。

 かつてベルギーでボードワン国王のとき同様の状況があって、その可能性も議論されたが、国王が若くして亡くなられたので、弟のアルベール2世が即位された。いずれにせよ、皇位継承については両にらみで準備すべきだと思う。

 平成年間には、秋篠宮家に公務の負担が重くかかり、また、悠仁さまという未来の皇位継承予定者までいるのに、人員も予算も他の宮家と同じで悲惨だった。その後、皇嗣殿下になられてだいぶ解消したが、皇族の不足もあって、公務が過重である状況は変わらない。

 皇嗣殿下としての公務を行う場として、また、増員されたスタッフを入れる施設が必要なこともあり、秋篠宮邸を改修したところ、無駄だという強い批判にさらされている。だが、これは、本来、旧東宮御所に入られるはずのところを、上皇陛下ご夫妻が使われることになったことに伴う問題である。それが周知されていないから生じたことだ。

 佳子さまは、眞子さんの結婚後、非常に熱心に公務に励んでおられ、好評だ。しかし、新しい住まいに入らずに、旧館の部屋をそのまま使われていることは、近い将来に結婚を予定されているなら自然なことだと思うが、これにも批判がある。

 天皇の弟が皇嗣であるという前例のない状況で、小室問題をきっかけに、秋篠宮家に対しては「どんなことを言っても許される」という空気がある。

 また、紀子さまへの批判には具体性がないのだが、その根底には、大学卒業後、就職せずにすぐに結婚されたことや、姑である美智子さまのスタイルを継承しようとされていることが、「皇族女子は現代的な女性のアイコンであってほしい」という人たちから共感を得にくいところなのかもしれない。