悠仁さまは将来の天皇としての帝王教育も順調に進んでいるし、学業も本当に優秀だが、学習院へ進まれなかったことへの卒業生の反発は激しく、それをまとめた単行本を出したOGまでいて、かつての美智子さまへの攻撃の再現のような様相だ。

 男女共学で、授業料が安いことから、広い階層の人が集まり、美智子さまの父君や弟の母校でもある筑波大学附属への進学はよい選択だと思うのだが、「皇族と縁が深いことがセールスポイントだった母校の存在価値に関わる」と心配する学習院OB・OGの反発は大変なものだ。警備についても、お茶の水女子大学付属中学に近いので、従来の警備体制が引き継げてむしろ好都合だ。

 そんな中で、悠仁さまが、雑音を気にせず、これまでも内外の皇室ゆかりの場所を訪ねたりしてこられ、この夏休みには、鹿児島での全国高校総合文化祭ご出席や現地の高校を訪れる公務に参加し始められたことは喜ばしい。

 学業優先という考え方もあろうが、一般家庭の子どもでも、家業を手伝ったり、アルバイトしたりするのだから、それと同じである。それは世界の王族の常識でもある。

佳子さま・愛子さまのお相手の
ハードルを下げた「けがの功名」

 眞子さんの結婚においては、縁談相手への調査などをすれば批判を浴びる可能性があり難しいなか、事実上の婚約発表をしてから、メディアが小室家の問題を五月雨式に見つけ出した。眞子さんとしては、当初の祝福とリンチのような袋だたきの落差に大きく傷つかれたと思う。

 私は結局の所、英国の王室や芸能人の場合のように、交際をある程度オープンにして、問題がよほど深刻で対応しきれなかったら、交際をやめたらいいと思う。ウィリアム皇太子とキャサリン妃も一度破談になって、のちによりを戻したのだが、ミドルトン家が指摘された問題を克服する努力をした結果であって、よかったと思う。

 ただ、小室問題の「けがの功名」は、プリンセスたちの結婚相手へのハードルを下げたことだ。守谷絢子さん(高円宮家三女・絢子さま)のお相手は、私の元同僚でもある、それほど富豪でも名門でもない公務員の息子だった。「パーフェクト婚」といわれたが、小室問題より前にはあり得なかっただろう。

 愛子さまや佳子さまが旧宮家の誰かと結婚したら好都合という人もいるが、近親婚の是非もあるし、内親王さまたちに狭い選択肢の中の誰かと結婚するように圧力をかけるのは現代的でないので、私は消極的だ。

 さらに、佳子さまと愛子さまの後には、悠仁さまのお妃選びが待っているが、ぜひとも、皇太子明仁親王(現・上皇)の教育の責任者で美智子さまとのご成婚のお膳立てをした小泉信三さん(元慶応義塾長)のような優れた調整役を置いてほしいものだと多くの関係者は望んでいる。

【訂正】記事初出時より以下のように訂正します。
20段落目:その報告が2022年にされ→その報告が2021年にされ
45段落目:守家絢子さん→守谷絢子さん
(2023年8月5日9:59 ダイヤモンド編集部)