少数株主は突然やって来る?
ところで、オーナー経営者として順調に経営を続けているあなたは、取締役会を開いていますか? 法令上取締役会をどのくらいの頻度で開かなければならないか、ご存じでしょうか。議事録は残っているのでしょうか。
取締役会は、年または月あたり何回開催しなければならないという規定はなく、上場企業などの一部を除いて、設置しなくてもよいことになっています。しかし、会社法では、代表取締役や業務執行取締役は、3カ月に1回以上、職務の執行の状況を取締役会に報告する義務があります。
また、会社法は取締役会議事録の作成を義務付けており、取締役会の日から10年間は、議事録を保管しておかねばなりません。これを怠ると、取締役が民事で過料対象となり責任を負うリスクがあります。
株主総会についてはどうでしょうか。自分が会社を支配しているのだから、書類だけ作っておけば十分だ、という認識ならまだしも、実は議事録どころか、招集通知すら出していないのではないでしょうか。せいぜい、司法書士に最低限の書類を整えてもらっている程度ではないでしょうか。
自社の決算書をしっかり理解しているでしょうか。取締役会も総会も開かないどころか、決算書にさえ大した関心を示さない経営者も存在します。
それでも、誰も文句を言ってこないのであれば、そのままでいいのかもしれません。あるいは、あなた自身も何らかの経緯でどこかの企業の少数株主になっているかもしれませんが、その企業にそこまで関心を持たないケースはあるでしょう。
ところがそんなある日、株主と称する人物が突然現れて、こう言われたらどう対処されるでしょうか?