ソフトバンクグループ(SBG)が再び攻勢に転じている。長年の投資家の多くは、その展望に少なからぬ不安を抱いていることだろう。SBGとソフトバンク・ビジョン・ファンド事業は、4-6月期に合わせて18億ドル(約2580億円)を新興企業などに投資した。1-3月期までの3四半期はいずれも5億ドル程度に過ぎなかった。1四半期で100億ドルを優に上回っていた全盛期には遠く及ばないが、それでも明らかに戦略が変わったことを示唆している。人工知能(AI)を巡る最近の熱狂が理由の一つだ。孫正義会長兼社長は6月、AI革命を主導したいと語っていた。SBGはすでにAIブームの恩恵を受けている。同社の株価は好調なハイテク株にけん引され、今年に入って24%上昇した。AIへの関心が高まり、新規株式公開(IPO)を控えた英半導体設計大手アームの評価額が高まると期待されている。SBGは2016年にアームを320億ドルで買収した。