全国で急速に増えている来店型の保険ショップ。相談は無料、複数の商品からぴったりの保険を販売するというのが売りだが、どうやらそれは“表”の顔にすぎないようだ。
ここ最近、保険業界内をある観測が駆け巡っている。
「窓口が身売りするらしい」
話には尾ひれも付いて回った。
「関心があるのはヤフーと楽天。SBIはすでに断ったと聞いている」「ライバルである保険ショップ大手に持ちかけたらしい」
保険関係者が集まれば、一様にこんな話題が口の端に上った。
窓口とは、ほけんの窓口グループのこと。どの保険に加入すべきか悩んだり、見直しを検討したりしている人の相談に無料で乗り、複数の商品の中から「中立」「公平」な視点で適した商品を提案、販売する来店型生命保険ショップ(乗り合い代理店)のリーディングカンパニー的な存在だ。
1995年、ソニー生命保険で営業職をしていた今野則夫氏が、「顧客に合った商品を提供したい」と独立して設立。それから13年間、右肩上がりの成長を続けた。
全国各地のターミナル駅を中心に店舗を次々と展開、銀座4丁目交差点そばにビル1棟丸ごと相談ブースにした店舗まで構え、その数は今や363店に上る(2013年2月現在)。その結果、営業収益は、220億円を超え、近い将来、「1000店、売上高1000億円」の達成を目指し邁進中だ。
ところがである。そんな飛ぶ鳥を落とす勢いだったほけんの窓口が、つまずきを見せたのは昨年4月のことだ。