米地銀の株価は最近好調だ。だが、社債は警鐘を鳴らしていると思った方がいいだろう。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは7日、米銀27行の信用格付けについて発表し、うち10行の格付けを引き下げた。他行については格付け見直しの対象とするか、「ネガティブ」の見通しを付与した。信用格付けは銀行にとって極めて重要だ。銀行は預金のほか、社債発行を通じて資金を調達している。こうした措置の理由の多くはおなじみのもの、つまり預金コストの上昇、在宅勤務への移行に伴う商業用不動産や建設業向け融資のリスクだ。4-6月期の決算によると、多くの地銀で預金流出が減速したり流入に転じたりしたほか、今年後半か来年には金利収入が回復するとの見通しが示されているため、こうした理由付けにうんざりする人もいるかもしれない。KBWナスダック銀行指数は7月上旬から9%余り上昇し、より小規模の銀行で構成されるKBWナスダック地銀指数の上昇率は17%を超える。
米銀の問題なお続く、格下げが警鐘に
社債は米銀の回復が株価ほど順調ではないことを示している
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