頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「週刊ダイヤモンド」「トップポイント」など数々の書評で絶賛。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。コンサル→ファンド→27歳アンカー・ジャパン入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。
正確性とスピードの優先順位
正確性は下げたくないが、すべてにおいて完璧にする必要はない。
企業の売上が1円違うことは問題ないわけではないが重要ではない。
監査法人が監査を行う際もすべてを1円単位まで確認していない。
監査には「重要性基準」があり、重要なプロセスや金額のものを中心に確認していく。大企業であれば膨大なデータがあるが、監査意見を表明する締切日は決まっているので、網羅的に確認するのは不可能である。
一方で、その中でも重要なプロセスや金額は確認しておかないと、大規模な会計不正をしていた企業があった場合、見抜けなかったら問題になる。
正確性とスピードの優先順位はゼロサムで決定するものではない。
経費精算も、上司は「この交通費が妥当か」と一つひとつ確認するより、大きな金額だけ確認すればほとんどの場合は十分だ。
事業全体への影響を考えれば、ペン1本買うのにその妥当性の説明は通常必要ない。
性善説とスピード感には相関関係がある
金額の正確性は確かに大事だが、それは経理が最終的に確認してくれる。
メンバーを信頼できれば、ルールは最低限でいい。
性善説とスピード感には相関関係がある。
メンバーが不正を働こうなどと考えず、仕事にコミットしている人だけならルールが少なくても回る組織ができる。
逆にルールとハンコに縛られ、成長できない企業も多い。
アンカー・ジャパンは完全フレックスタイム制でリモートワークを認めているが、メンバーの稼働を逐一チェックする仕組みは一つもない。
それでも生産性は下がっていないし、あえて深夜ばかり働くような人もいない。
究極にはミッションやバリューに沿いながら、求める結果を出せているかどうかを確認するだけでいいのである。
(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)