夏場のダイエットに取り組む人にぜひ読んで欲しい1冊が『医者が教えるダイエット 最強の教科書』だ。「1ヶ月で痩せました!」「考え方が変わった!」と絶賛の声が続々。大きな支持を集めている。著者は、生活習慣病の専門医・牧田善二氏。最新の医学に基づき、最も効果的なダイエット法を解説した本書から、特別に一部を抜粋して紹介する。
「近代的な食生活が人間を退化させている」という指摘
1930年代、カナダのプライス博士という歯科医が、イヌイット、アメリカ先住民、アボリジニ、ポリネシア人など、世界14カ国で文明から隔絶された生活を送っている住民の健康状態について調査を行いました。
とくに、自分の専門である口腔内の状態、歯、顎、顔を詳しく調べてみると、彼らは歯ブラシなど使ったことはないのに、虫歯はなく、歯並びは完璧で、顔の歪みなども見られなかったそうです。
その食生活も調査すると、きわめて原始的なもので、自然な環境で育った動物や、植物性食品を主に食べていました。
調査した地域によって具体的な食材はさまざまですが、基本は「人間がおかしな手を加えたものは食べていない」ということです。
一方で博士は、同じ民族でありながら、商業活動によって持ち込まれた白人の近代的食生活に移行した人々についても同様の調査を行いました。
すると、遺伝子は変わらないにもかかわらず、歯並びがひどく乱れ、顔の形も歪んだ子どもが多く生まれるということがわかりました。
また、大人も含め免疫力が低下し、さまざまな感染症に罹りやすくなっていたそうです。
近代的食生活では、砂糖、精製した穀類(白いパン、白米)、缶詰、高温で殺菌した牛乳、加工した油脂類が多く用いられており、プライス博士は、そうした食生活が人間を退化させていると結論づけています。
博士の調査から90年以上が経過していますが、今もその指摘は色あせません。
かつて、世界中に肥満者はほとんどいませんでした。
ところが、文明の発達とともに、どこもかしこも肥満者だらけになっています。
先進国だけでなく発展途上国でも肥満は激増しています。
つまり「豊かになってお腹いっぱい食べられるようになったから」という理由だけではないでしょう。
食べている量よりむしろ、食べている内容こそが問題なのです。
(本稿は書籍『医者が教えるダイエット 最強の教科書──20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』から一部を抜粋・編集して掲載しています)