しかし、心臓から押し出された血液は、心臓から100ぐらいの圧力で出たとしても、足先にいくにつれて圧力は下がっていきます。そして、足先に届いた血液の血圧は、ほとんどゼロになっています。

 では、そこから、どうやって心臓まで引き上げるのでしょうか? それは足の筋肉を使って、ポンプのように血液を上に持ち上げていくのです。「ふくらはぎは第2の心臓」と言われるのは、それが所以なのです。

 しかし、運動不足で筋肉がなくなってくると、ポンプの働きが悪くなりますから、足に血液やリンパ液などの水分が溜まります。血液の60%は静脈系に溜まっていますので、それが足に溜まって、温かい血液が行かなくなれば、当然、体は冷えてしまいます。

 そこで足をしっかりと温かくしておく必要があるわけです。足を温かくすることで血行をよくし、心臓に血液を戻すことが大切なのです。

 おすすめなのが、筋肉の代わりの働きをする着圧ソックスです。日中、着圧ソックスをはくことで、血液・リンパ液といった水分を足に溜まりにくくし、余計な水分を、尿として排出することができます。水分を出せば、むくみなども解消されます。

 もし、下半身に水分が溜まったまま、寝てしまうと、足に溜まっていた余分な水分が、頭のほうに上がってくるので、朝起きたときに顔がむくんだり、手がむくんだりします。さらには、頭の血管が拡がって頭痛が出ることもあります。

 ですから、天気痛予防や天気痛の症状を改善するには、昼間に着圧ソックスをはいて、家に戻ったら脱ぐという方法がおすすめです。

書影『ビジネスパーソンのための低気圧不調に打ち勝つ12の習慣』『ビジネスパーソンのための低気圧不調に打ち勝つ12の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン出版)
佐藤純 著

 夜に着圧ソックスをはいたまま寝ると、頭のほうに水が行くように、着圧ソックスで余計に圧をかけていることになりますから、さらに体調が崩れる原因となります。

 夜間、夜用の着圧ソックスをはいて寝ている女性も多いかと思いますが、朝、起きたときに足は細くなっていても、顔がむくんでしまうという人は、日中のみ着圧ソックスをはくようにしましょう。

 また、足のむくみを解消するために、夜、足を上げて寝る人もいます。しかし、これも頭が痛くなる原因になりますので、できるだけ避けたほうがいいでしょう。

 そして最終的には、筋力をつけ、筋肉が自前の着圧ソックスになることを目指していきましょう。