体が持つさまざまな調節機能がうまく働かず、気圧の変化に対して過剰な反応をして痛みやめまいを生じさせていると考えられます。そしてこの天気痛は、適切な予防と対処法によって、ずいぶん軽減されることもわかってきました。

湿気と温度を服でコントロールし
自律神経の乱れを改善しよう

 私たちの体は、天気が変化することによって、自律神経にさまざまな影響を受けています。本来、自律神経が正常に働いている人であれば、「気圧」「湿度」「温度」の3つの変化にうまく体を適応させることができます。

 しかし、自律神経が乱れていると、これらの対応がうまくできません。

 そこで対策としては、「湿度」と「温度」をキーワードにし、自律神経に悪影響を及ぼさない服を選ぶことが第一となります。

 夏や梅雨時は、湿気の多い時期ですので、湿気を逃がす通気性のよい素材の洋服を着るようにしましょう。

 また、水分は下のほうに溜まっていく性質があるので、シャツの裾を外に出すだけでも、ずいぶん通気性が良くなります。他にも、首元が開いた服、袖などもゆったりとしているデザインの服を選ぶとよいでしょう。

 冷えが気になって、何枚も服を重ね着したり、靴下を3重にも4重にもはいたりしている人がいますが、自律神経の乱れを改善するという観点では逆効果になってしまいます。なぜなら、温度調節を服に頼ってしまうことで、体が自己調節機能をサボってしまうからです。

 大切なのは、3つの首(首、手首、足首)を冷やさないことです。

 これらには、いずれも太い血管が走っており、さらに外気にさらされやすい場所です。そこで、おすすめなのが、ポイントをしぼって温めることです。マフラーやスカーフ、ネックウオーマーなど使って首元を温めていれば、他のところが少々薄着でも保温がしやすくなります。

 また、人間は、足の裏と手のひらが体温を調整するために重要な部分になっています。例えば手袋をするだけでも保温になりますし、足は足首を一緒に温めることを意識すれば、何枚も靴下を重ねる必要はありません。

 家の中でも冷えを感じている方は、常に首に巻きものをしてもよいでしょう。また寝ているときの格好も、夏でも半袖半ズボンにせずに、長袖長ズボンにする。さらに速乾性があり、熱がこもりにくい生地のパジャマを着るようにしましょう。

 逆に、夏や梅雨時期に湿気を逃がしたいときは、この3つの首の通気性をよくすればいいのです。