また、下半身に水が溜まりやすい人や、むくみが生じやすい人は、下半身を冷やさないことが大切です。「水が溜まる」というのは、足に血液が溜まったり、血液から染み出した水分が足の筋肉や皮膚の間に溜まったりすることです。そうなった状態では、血流が滞ってしまいます。心臓からの温かい血液がなかなか流れないのですから、血液がどんどん冷たくなり、冷えの原因となります。

冷暖房による室温と外気の差は
血管を急に収縮・拡張させる

 私たちの体は、寒いと血管が収縮して血圧が上昇し、逆に暑いと血管が拡張して血圧が低下します。めまいや立ちくらみも、ヒートショックの軽度の症状のひとつです。

 夏は、外に出ると気温が高いですが、室内は冷房が効いていてキンキンに冷えていることがあります。また、冬はその逆で、外気は寒いのに、電車の中や職場はガンガンに暖房が入っていて蒸し暑いことも多いです。このような急激な気温差は、体調不良の原因となります。

 どちらも、ドアを開けた途端に気温差が起きないように、徐々に体を慣らしてから出入りするのがポイントです。

 例えば、急に外の暑い場所に出る場合、自宅ならば1回冷房を切って室温を上げ、5~10分ほど体を暑さに慣らしてから外に出ます。職場であれば、カーディガンや膝掛けなどで、少し体を温めてから外に出るようにしましょう。体が冷えたまま暑いところに出ると、熱中症のようになってしまいます。

 寒い季節に暖房が効いた屋内から寒い場所に出るときにも、暑い季節と同様に外の気温に慣らしていきます。自宅の場合は、まず暖房を切ってから洋服を着替えるくらいでちょうどよいでしょう。職場でも、1枚上着を脱いで、5~10分ほど慣らすようにましょう。

足の血液を戻す筋肉ポンプを
着圧ソックスでサポートする

 人間の体の中で、一番冷えやすいのは下半身です。その理由は、足の裏を通じて「冷え」が上がってくるからです。ですから、足は最初の防波堤のようなものです。足の温度を下げないようにすることが大切です。

 また、足は、心臓から最も遠い場所にあります。他の動物と違って、人間は四つ足ではなくて二本足で立っているので、地面から心臓までの高さが、他の四つ足動物よりも高くなります。そのため、心臓というポンプから押し出された血液が体中をめぐるとき、足まで来た血液は、重力に逆らって心臓という高い位置まで戻らなくてはいけません。

 しかし、心臓から押し出された血液は、心臓から100ぐらいの圧力で出たとしても、足先にいくにつれて圧力は下がっていきます。そして、足先に届いた血液の血圧は、ほとんどゼロになっています。

 では、そこから、どうやって心臓まで引き上げるのでしょうか? それは足の筋肉を使って、ポンプのように血液を上に持ち上げていくのです。「ふくらはぎは第2の心臓」と言われるのは、それが所以なのです。

 しかし、運動不足で筋肉がなくなってくると、ポンプの働きが悪くなりますから、足に血液やリンパ液などの水分が溜まります。血液の60%は静脈系に溜まっていますので、それが足に溜まって、温かい血液が行かなくなれば、当然、体は冷えてしまいます。

 そこで足をしっかりと温かくしておく必要があるわけです。足を温かくすることで血行をよくし、心臓に血液を戻すことが大切なのです。

 おすすめなのが、筋肉の代わりの働きをする着圧ソックスです。日中、着圧ソックスをはくことで、血液・リンパ液といった水分を足に溜まりにくくし、余計な水分を、尿として排出することができます。水分を出せば、むくみなども解消されます。

 もし、下半身に水分が溜まったまま、寝てしまうと、足に溜まっていた余分な水分が、頭のほうに上がってくるので、朝起きたときに顔がむくんだり、手がむくんだりします。さらには、頭の血管が拡がって頭痛が出ることもあります。

 ですから、天気痛予防や天気痛の症状を改善するには、昼間に着圧ソックスをはいて、家に戻ったら脱ぐという方法がおすすめです。

書影『ビジネスパーソンのための低気圧不調に打ち勝つ12の習慣』『ビジネスパーソンのための低気圧不調に打ち勝つ12の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン出版)
佐藤純 著

 夜に着圧ソックスをはいたまま寝ると、頭のほうに水が行くように、着圧ソックスで余計に圧をかけていることになりますから、さらに体調が崩れる原因となります。

 夜間、夜用の着圧ソックスをはいて寝ている女性も多いかと思いますが、朝、起きたときに足は細くなっていても、顔がむくんでしまうという人は、日中のみ着圧ソックスをはくようにしましょう。

 また、足のむくみを解消するために、夜、足を上げて寝る人もいます。しかし、これも頭が痛くなる原因になりますので、できるだけ避けたほうがいいでしょう。

 そして最終的には、筋力をつけ、筋肉が自前の着圧ソックスになることを目指していきましょう。