今年の夏は、“災害レベル”と呼ばれるほどの猛暑が続いています。天気予報によると、8月下旬に入ってもまだ猛暑は続くようです。そのような中、熱中症で救急搬送されるケースが多発しており、仕事中に倒れたという人も少なくありません。
厚労省によると、やはり暑さが厳しかった昨年夏、職場で熱中症で死亡した人は30人、4日以上休養せざるを得なかった人は797人で、いずれも前年に比べて5割近く増えていました。熱中症にかかった人が一番多かったのは建設業、ついで製造業と運送業でした。
死亡した事例の多くで、暑さ指数(WBGT)を把握せず、熱中症予防のための労働衛生教育をおこなっていなかったといいます。また、「休ませて様子を見ていたところ容態が急変した」「倒れているところを発見された」など、熱中症発症時・緊急時の措置が適切にされていませんでした。
弁護士ドットコムにも、高温多湿の場所で水もとれない状態で働かされた人から、「熱中症になってしまったが、会社側に補償はしてもらえるか」という相談や、仕事でトラックに乗る人から、「エアコンが効かないが、会社が対応してくれない。もしも熱中症で倒れたら、慰謝料請求できるか」という相談などが寄せられています。
また、中には、仕事中に熱中症となり、救急車で搬送されて4日間入院した人から、「勤め先の会社も元請会社も労災申請してくれない」という悩みも寄せられています。仕事中に熱中症で倒れたら、会社側にはどのような責任が生じるのでしょうか。労働問題にくわしい徳田隆裕弁護士に聞きました。