頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「週刊ダイヤモンド」「トップポイント」など数々の書評で絶賛。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。コンサル→ファンド→27歳アンカー・ジャパン入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。

1位思考Photo: Adobe Stock

「三木谷曲線」の教え

 私は社内の全体会議で「三木谷曲線」を説明したことがある。

三木谷曲線」とは何か(図表6)。

ラスト0.5%をやり抜く「三木谷曲線」の教え

 楽天の三木谷浩史会長兼社長の著書『成功の法則92ヶ条』(幻冬舎)に記されている「最後の0.5%の努力の差がクオリティを左右する」という考え方だ。

 99.5%まではみんなが努力しているので、残りの0.5%をやりきれるかで成果に大きな差がつく。

 コンマ数%を高めると差が出るというわけだ。

 最後までやりきることで突き抜けた結果を得る。

 これが価格競争に陥らず、お客様に購入してもらえる「差」につながる。

 限界までやって勝ちきることで、「充電器がほしい」から「アンカーの充電器がほしい」と言ってもらえるようになった。

1%のこだわりの積み重ね

 当社の製品をお客様が選ぶ理由は、ほんのちょっとしたことだと思う。

 ちょっと充電スピードが速い、ちょっとデザインがいい。

 そのほか、パッケージのカッコよさ、カスタマーサポートの印象、ウェブサイトの使いやすさ、店舗へのアクセスのしやすさなども影響する。

 だからこそ、ちょっとしたことにこだわり続ける企業が勝てる。

 大手ECプラットフォームの存在や、ECサイトのSAAS(Software as a Service:ベンダーが提供するソフトウェアをインターネット経由で利用できるサービス)企業も増えてきたので、商品販売は誰でも簡単にできる時代になった。

 誰でもできることだからこそ、お客様に選んでいただくために小さなことを一つひとつ積み上げていくのが重要だ。

 私はアンカー・ジャパンに入社後、1%の積み重ねを着実に行ってきた。

 会社が成長してメンバーが増えてくると、チームで分担してその1%を積み重ねた。

 私の仕事を少しずつ渡し、私以上のバリューを出してもらうことで、質も量も上がった

 現在は私が一人でやっていたときより、あらゆる面でアウトプットの質は上がっている。

 ただ、100%に近づけば近づくほど、そこから先を積み上げるのは難しくなる。

 ただ難しいということは、他社も難しいということであり、やりきれた場合はそれは圧倒的な差別化になりうる。

(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)