韓国では、8月15日は「解放記念日」であり「光復節」という祝日だ。写真は韓国の独立記念館の前に立つたくさんの太極旗。 Photo:PIXTA韓国では、8月15日は「解放記念日」であり「光復節」という祝日だ。写真は韓国の独立記念館の前に立つたくさんの太極旗 Photo:PIXTA

78回目の終戦記念日を迎え、今年の夏も日本の各地で祈りがささげられた。一方、韓国における8月15日とは、日本の植民地支配から解放された「光復節」という祝日であり、公休日になっている。韓国ではこの日を非常に重視し、在韓の日本人にとっては“肩身が狭くなる日”ともいわれている。しかし、昨年の政権交代で尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が大統領に就任して以来、日韓関係の改善が急速に進み、「Z世代」と呼ばれる若者たちを中心に日本ブームに火がつき、状況は一転している。今年の光復節は、従来では考えられなかったような出来事が起こったのだ。(韓国在住ライター 田中美蘭)

文在寅政権時代から一新された「光復節」

 尹政権になって2回目の光復節を迎えた今年。尹大統領は昨年に続き、記念式典で日韓関係の改善、および北朝鮮の脅威に対抗すべくさらに米国との3カ国による連携強化について強調した。「反日」を前面に押し出していた文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代とは対照的だった。4年前のこの時期に「NO JAPAN」が始まったことを思えば、比較にならないほど平穏になったといえる。

 また、8月15日当日は、地上波での放送も光復節に関連した特別番組が多いのが通常だったが、それも国営放送のKBSを除いて、年々減少しており、政権交代後はさらにその傾向が進んでいる。

 こうした変化は、世論調査にも意外性と驚きの結果として表れていたのである。

韓国のZ世代の4人に1人は「光復節を知らない」

 韓国で、ある世論調査の結果が注目を集めている。聯合ニュースが8月14日に記事にしているが、データコンサルティング会社が10代~60代を対象に光復節にちなんで行った調査で、「光復節の認知度」について、興味深い結果が明らかになったのである。

「光復節の意味、行事、年と日付を知っていますか?」という問いに対し、「知っている」と答えたのは回答者全体の83.4%。年代別に見ると、60代は51%が「とてもよく知っている」ともっとも高い。これに続く40~50代は32.3%、30代は26.4%、10~20代が21.9%と、年代が低くなるほど、割合も低くなるという結果だった。

 さらに注目すべきは「知らない」という回答だ。特にZ世代(1995~2009年生まれ)の回答だけを見ると「光復節」について「全く知らない」(11.2%)または「よく知らない」(15.6%)を合わせて約27%という結果になったことである。27%ということは、Z世代の4人に1人が「光復節を(よく)知らない」と答えたことになる。日本人的には、そんなに高い数字ではないと思うかもしれない。それでもこの結果に驚いたのには理由がある。

 韓国が、日本よりもはるかに歴史教育に力を入れている国なのはご存じのはずだ。幼児期から折に触れて歴史教育を行い、しかも、その内容は徹底的に反日である。日本から解放された日である「光復節」は近現代史の輝かしい大きなトピックだ。にもかかわらず3割近い若者が「光復節を知らない、よく分からない」と回答したということは、韓国人的には非常に衝撃的なことなのだ。